2020年4月16日木曜日

蜂毒アナフィラキシーショックの体験談



完全な油断

ちょっと内検するつもりで空いた時間に一人で蜂を見にいく。
継箱をのせた群が予想外に増えていて、分蜂しそうな感じ。
しっかり内検し巣板を追加しようと判断。

燻煙器をつかい、厚手の手袋と普段の作業服に中国製のアマゾンでかった面布をかぶり作業する。蜂が騒いできたら少し離れ、落ち着いてから再び作業にとりかかるようにしている。

いつものことだがどうしても数匹、しつこく顔の周りを飛んでいる。顔をふせたりしていなくなるのを待っていたのだが、このとき面布のかぶり方がまずかった。ざっくりかぶっただけでしっかりバンドで止めていなかったのが完全な油断だった。

大失敗1:悪い「慣れ」がでてしまった、いままでも簡単な作業はざっくりかぶっただけで刺されることはなかったという慣れ。今回の作業は簡単ではなく、別のしっかりとした防護服をきるか、すくなくとも横着せずしっかり面布を装着するべきだった。)

当然首周りにすき間があったようで、首の後ろにチクットさされた感覚を感じた、強い痛みは無かったが、しっかり刺されたのは数ヶ月ぶりで、しまったと思い足早に巣箱から10mほど離れたがどうやら数匹がしつこく、ついてくる様子があり、続いて喉元を刺されてしまった。ここでとても慌ててしまい同時に面布の中に数匹がはいっている感覚があり、パニックになり慌てて面布を脱いでしまった

大失敗2:首から上は執念深く徹底的に狙われるのでしっかり守ること、一度刺されるとそのニオイでつぎつぎ狙われる。我慢して面布をつけたままであればもうすこし軽い被害ですんだかもしれない)。

直後に頭頂部を刺されてしまった、何匹にさされたかは確認できなかったが蜂が髪の中でブンブンいってかなりの数の蜂がいたのででしょう、髪にからんで手で追い払っても全然飛んでいかない、ズキズキするような生まれて初めての強烈な痛みが頭頂部を襲う。痛い痛い。鎌でザクザク頭をきりつけられた感覚。痛い痛い痛い。

なんとか蜂を追い払うが、ハチ毒のアナフィラキシーショックの例は知っているので、まさか自分がなるとは‥、非常にまずいことになったと思う。ただこのときは刺されたところが痛いだけのいつものことで全身症状はまったくなく、そこまで深刻にとらえていなかった。

車で5分のところに自宅があるので、巣箱に蓋をしめてざっと片付けをして
車にとび乗りあわてて運転し自宅にもどる、家に以前蜂に刺されたときに病院から処方された飲み薬、塗り薬がありそれでなんとかなるのではと思ったからだ。

大失敗3:運転中気絶する可能性があった。動揺して運転しているので事故を起こす可能性があった。自分で救急に連絡するべきであった。すぐ近くに知り合いの家があったので助けを求めても良かった。誰かがいるところへ移動する)

自宅には家族が居て、薬を飲み、塗り薬を塗ってシャワーや氷で冷やしていた、救急車はどうする?と家族に聞かれたがまだなんとかなると思いちょっと電話を待ってもらった。

当初は体全体に異常はなかったが、だんだんと体が熱くなって汗をかき上着を脱いだ、顔が強くぐぐーっとむくみパンパンに真っ赤になる、手が赤くなってくる、体全体が赤くなってくる、頭部を中心にかゆみ、体中に蕁麻疹、ぼーっとしてくる、鼓動が早くなってくる、ふーふーっと息があらくなってくる、フラフラしてくるなどの異変を感じてきた。ただし息ができないなどの強い息苦しさや腹痛、下痢などは無かった。

初めての感覚でいくらなんでも体がおかしいと思い、みっともないと思ったがどうにもならないと思い救急車を呼んでほしいと家族にお願いした。

家族が救急とやり取りをしている最中にどんどん耳が聞こえなくなり遠くの方で喋っているなーと思っていると、視界がみるみる白黒のモザイク状になり、視野がどんどん狭くなり、座っていたが体に力が入らず、あぁーだめだー、どうにもならないーと思った瞬間に真っ暗になった。

で、あれ?おしっこをもらしているなーなんでだ??と感じたところでハッと意識がもどりました、気絶し倒れて失禁してしまいました。意識を失ったのは一瞬だったようです。はっきりとおぼえていませんが蜂にさされてから意識を失うまでの時間は20分~25分程度でしょうか。

汚れたズボンを自分で拭いて、保険証を探したりして用意をし

大失敗4:失神のような重度のアナフィラキシーショックを起こし場合は、そのまま横になって寝ていること、座位や立ち上がる、歩き回るなど頭を上にする行為は数分で再度重いアナフィラキシーショックを起こす可能性がある。移動させるため救助者が背負ったり、起き上がらせ座らせるようなことはしない。横にしたまま担架で移動。あれこれしたいのはわかるが全部人にまかせてとにかく横になっていること!)



ふらつきながらも手の色がおかしかったり鏡をみて顔が真っ赤だなと思ってぼーっとしながら座って待っていると

救急車がすぐに到着し、経緯を伝え、住所、作業場所の住所、免許証、保険証、かかりつけ医、アレルギーの確認、体温、血圧の測定があり、病院に搬送されました。搬送先は比較的は運良く早く決まったようでした、このへんもぼーっとしていましたが意識はありました。救急車の天井をみながらサイレンが鳴り響く中、失敗してしまった、面倒をおこしてしまったと後悔をしていました。

搬送先が決まってから15分ぐらいで、病院についたようです。

病院ではHCUにはいり経緯の確認、食べ物のアレルギー、ラテックスアレルギー、ペースメーカーの有無などの確認、各種書類へのサインなどがありました。とりあえず服は全部脱がされます。

体全体が真っ赤だったようです。意識ははっきりしているものの途中から寒くもないのに手足がものすごくブルブル震えてきましたが、アドレナリン?の注射か点滴でだいぶよくなりました。手の血管が細いのか太ももか足の付根からいれたみたいです。

そのあと寒さを感じるようになりましたがたくさんの方に適切に多くの処置をしていただきました、私はベットの上で寝ていて天井を見ていただけなのですが医療関係者みなさんスゴイね感謝です。

その後、すぐ帰れるかと思いましたが、数時間後にまたアナフィラキシーショックが起きる可能性があるとのことで経過をみるため心電図やパルスオキシメータをつけ点滴を受けながら入院することになりました。

念の為と家族の都合もあり結局病院で2泊し退院することができました。ハチ毒はさされたら次が危ないとのことで養蜂をやらざるを得ないなら十分注意してくださいとのことで医師からはエピペンの処方があり、病院の隣の薬局で説明をうけエピペンを受け取りました。

なんとか死なずにすみました。

これまで手足や顔、体を数え切れないほど沢山さされてパンパンに腫れたりしましたが、ここまで全身が重症化したのは初めてでした。

最近は刺されたとしても手袋や服の上からなので針が皮膚下にはいって毒液が体内に入ることはあまりなく、しっかり刺されたのは半年ぶりぐらいでした。

養蜂業界では週に何回とか毎日とか定期的に蜂にさされたほうが体が慣れて、腫れなくなるという話を聞くことがあり、体が敏感になっていたところに頸動脈の近くや頭を多数の蜂にさされてしまったのが原因かと思ってしまったりしますがどうなんでしょうか。

また例年この時期は花粉症の薬を飲んでいるのですが、たまたま今年は症状がですアレルギーの薬を飲んでいなかったのが重症化した原因かもしれないと医師に言われました。

とはいえ大量の蜂にさされないようにするのが一番ですね。


どうしますかね養蜂、いろいろ経緯がありすぐ放り出すわけにはいかないので当面はエピペンもってベールのついたジャケットタイプの防護服を着ていつも以上に慎重にやりますかねー。

エピペン打つタイミングは「迷ったら打て」だそうです。自分に打つ場合、判断がおくれると打つ筋力も失われそのまま気絶し亡くなる場合もありますね。全身が赤くなってきたなど、いつもと違う!体がおかしい!と思ったら、まだガマンできると思わずすぐに自己注射すべきなんでしょうね、ですぐ救急に連絡。


あと養蜂は一人で作業するというのは避けたほうがいいんでしょうね。どうしても一人作業の場合は近くの誰かに作業前、作業後に声を掛けるなどの対策が必要かなーと思います。

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